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カテゴリ: コラム

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④日曜日 

記事提供 共同通信社


 「金帰火来」をご存じだろうか。日々、東京・永田町で過ごす国会議員が金曜夜に選挙区に戻り、地元で有権者の声に耳を傾け、火曜に東京に戻るさまを言う。
 もし、本当にそうならば、政治部記者にとって、金曜夜から月曜朝までは「取材対象」がいなくなる、心と体を開放する絶好のチャンスのはずだ。
 だが、忙しい日曜日も少なくない。早朝から政治家が出演するテレビ番組が続くからだ。午前7時半からのフジテレビ「新・報道2001」。午前9時からはNHKの「日曜討論」。自宅でテレビ観戦する場合もあるが、ほとんどがテレビ局に出向いて、ロビーや控え室でモニターを見ながら、政治家の発言を記録する。番組が終われば、テレビ局から出てきた政治家を捕まえ、発言の真意を尋ねることも多い。与党は今、自民、公明の2党だが、野党は数が多いので、掛け持ちするケースもある。
 日曜討論などは、各党幹部が一堂に会して、その時々の重要テーマについて議論することもある。番組終了後は、スタジオや、控え室で政党の垣根を越えて会談する場面もある。テレビ局の幹部が、出演した有力政治家と、局内の応接室で、番記者を交え懇談している気配もある。気が抜けない、なんだかせわしい気分のまま原稿を処理していると、すっかり午後になっている。