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カテゴリ: コラム

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③デスク 

記事提供 共同通信社


 記者クラブのキャップを2つ、3つやり、40代も半ばとなると、汐留の政治部に上がり、デスクをやることになる政治部員は多い。デスクトップと長時間にらめっこしているので、視力は一層衰え、腰も悪くなる。老眼も出始める。現場の記者と比べると、圧倒的に体を動かさないのに、飯は食べ、酒も飲むので、腹が出る。
 日々の出稿で、政治部長をのぞくと、最も責任が重いのが関門デスクだ。月、火、水の前半関門、木、金、土、日の後半関門は、道路を隔てた薄暗いホテルに泊まり込む。バイキング方式の朝飯を「うまい」という人種と「まずい」という人種に分かれる。
 朝7時から出る早出、午前10時から出る日勤、午後5時から午前2時までの夜勤というシフトがある。ただ、何かあると、朝から晩までになりがちだ。
 ニュースセンター、あるいは部長と、現場の間に立ち、中間管理職の悲哀を感じる時があったり、あるいは、現場に圧力を掛ける「悪代官」になったりと、鵺(ぬえ)的な存在でもある。ただ、判断が奏功し、大きく加盟紙の紙面を飾ると、執筆者とはまた違う、独特の喜びがある。そんな瞬間があるから、今日も、いい原稿にしようとジタバタしている。